このサイトでは誰でもできるスイカの育て方をイラストを用いて詳しく解説します。
基本情報
栽培時期と栽可能能エリア
| 地域 | 栽培開始時期(種まき) | 定植時期 | 収穫時期 | 栽培可能エリアの目安 |
|---|
| 北海道 | 5月中旬〜下旬 | 6月上旬〜中旬 | 8月中旬〜9月上旬 | 冷涼地 |
| 東北地方 | 4月下旬〜5月上旬 | 5月下旬〜6月上旬 | 7月下旬〜8月下旬 | 冷涼地 |
| 関東・中部地方 | 4月中旬〜5月上旬 | 5月中旬〜6月上旬 | 7月中旬〜8月下旬 | 中間地 |
| 近畿・中国地方 | 4月上旬〜5月上旬 | 5月上旬〜5月下旬 | 7月上旬〜8月下旬 | 温暖地 |
| 四国・九州地方 | 3月下旬〜4月中旬 | 4月中旬〜5月上旬 | 6月下旬〜8月中旬 | 暖地 |
| 沖縄 | 2月下旬〜3月中旬 | 3月中旬〜4月上旬 | 6月上旬〜7月中旬 | 亜熱帯地 |
連作障害
スイカは連作障害に特に敏感で、同じ場所で栽培を続けると病気や害虫が蓄積しやすくなります。連作障害の主な原因は、つる割れ病やセンチュウ(線虫)などの土壌病原菌です。つる割れ病の原因となるフザリウム菌は土壌に5〜10年間残るため、連作を避けることが推奨されます。また、センチュウ密度が土1gあたり50匹以上になると根が侵されやすくなり、根の発育不良や病気を引き起こします。
連作障害が発生すると、収穫量は通常の50〜70%に減少し、糖度も通常の10〜12度から8度以下に下がることがあります。根張りが悪くなり、水や栄養の吸収が不十分になるため、果実が十分に成長できません。
連作障害を防ぐためには、最低5〜6年間は同じ畑でスイカやウリ科の作物を栽培しないことが重要です。対策として、土壌の太陽熱消毒を行い、地温を45℃以上に保ちながら2〜3週間かけて病原菌を減らします。また、センチュウ対策にはマリーゴールドなどの緑肥作物を育て、土壌中のセンチュウ密度を抑える方法も効果的です。

※連作障害とは、同じ場所で同じ作物を何年も育て続けると、土壌中の栄養バランスが崩れたり、病害虫が増えて、作物の成長が悪くなる現象です。これにより、収穫量が減ったり、病気にかかりやすくなったりします。対策としては、別の作物を育てる「輪作」を行うか、土壌改良を行うことが効果的です。
栽培方法
土作り

1. pH値の調整
スイカは中性から弱酸性(pH 6.0〜6.8)の土壌を好みます。土壌が酸性寄り(pH6.0以下)の場合、1平方メートルあたり100〜150gの苦土石灰を土に混ぜ込み、pHを上げます。苦土石灰を施した後は、土壌が均一になじむように2週間ほど置くと良いでしょう。
2. 排水性と通気性の確保
スイカは水はけの良い土壌を好むため、特に粘土質土壌では改良が必要です。川砂やパーライトを1平方メートルあたり2〜3kg(全体の20〜30%)混ぜると排水性が向上します。逆に、砂質の土壌であれば、保水力を高めるために腐葉土やピートモスを10〜15%混ぜることが推奨されます。
3. 有機物の投入と元肥
栄養豊富な土壌を作るために、堆肥と元肥をしっかり加えます。堆肥は1平方メートルあたり約3〜4kgを土に混ぜ、さらに、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)の比率が10-10-20の肥料を用意し、それぞれ1平方メートルあたり10gずつ投入します。元肥を施した後は、根に直接肥料が触れないように土とよくなじませ、3週間程度寝かせてから植え付けると、肥料焼けのリスクを減らせます。
4. 微量要素の追加
スイカの生育にはカルシウムやマグネシウムなどの微量要素も重要です。カルシウムは果実の肥大化に必要で、マグネシウムは光合成を助けます。カルシウム不足が懸念される場合、1平方メートルあたり100g程度の石灰(硫酸カルシウム)を追加すると良いでしょう。マグネシウムが不足している場合には、同じく100gの苦土石灰を使用します。
5. 畝立てとマルチの使用
堆肥と元肥を混ぜ込んだ後、幅50〜60cm、高さ15〜20cmの畝を作ります。畝立てにより排水性をさらに確保できます。保温と雑草抑制のために、黒マルチを畝全体にかぶせるのが効果的です。黒マルチをかけることで地温が上昇し、発芽や初期成長が促進されます。
種まき

1. 種まき時期と温度
スイカの種まきは、地温が18〜20℃以上になる春が適しています。種まき時期の目安は、4月中旬から5月中旬で、地域の気候によって異なります。発芽適温である20〜30℃を保てると、発芽がスムーズに進みます。
2. 種まきの深さ
スイカの種は1~1.5cmの深さにまきます。深すぎると発芽が遅れたり、成長が不十分になることがあるので、適切な深さに注意しましょう。
3. 種の間隔
種まきの際、1箇所につき2~3粒の種をまきます。その後、発芽してから元気な苗を1本残す「間引き」を行います。畝の中での株間は50〜60cm程度、列間は80〜100cm取ると、つるが十分に伸びて、風通しも良くなります。
4. 水やりと保湿
種まき後は、土が乾燥しないように水をたっぷりと与えます。必要に応じて、発芽まで不織布やビニールを軽くかけて保湿を保つと効果的です。
5. 発芽後の管理
発芽には7〜10日程度かかり、その後、丈夫な苗を1本に間引きます。
誘因

1. 支柱とネットの準備
スイカのつるが地面を這わないように、高さ1.5〜2mの支柱を使って、ネットやトレリスに誘引します。支柱は50〜60cm間隔で設置し、つるが安定して成長するように強度のあるネットや横紐で支柱同士を固定しましょう。
2. 主枝の誘引
主枝が30〜40cmほどに成長したタイミングで支柱やネットに軽く固定し、まっすぐ上に伸ばします。主枝がネットに沿って成長するように、30〜40cm間隔で緩く結ぶと、つるが自然に伸びやすくなります。紐を使って結ぶ際は、つるが傷まないよう余裕を持たせましょう。
3. 側枝の選定と誘引
主枝から出てくる側枝を均等に広げ、風通しが良くなるように45度程度の角度でネットに誘引します。側枝は20〜30cmごとに結び、健康な枝だけを残して他の枝は剪定することで、栄養を集中させることができます。
4. 果実の位置と支え
果実がピンポン玉程度のサイズ(直径5〜7cm)になったら、果実が重さで落ちないよう、ネットや布で果実を軽く吊るして支えます。果実同士の間隔は30〜40cm以上取ると、風通しが良くなり病害を予防しやすくなります。
5. 継続的な誘引と支え直し
スイカのつるが成長するにつれて、1〜2週間ごとに支えを見直し、枝が垂れ下がらないように定期的に誘引し直します。

※誘引は、茎が倒れないように支柱に結びつける作業です。誘引をすることで、野菜がまっすぐ育ち、重い実を支えることができます。また、日光が均等に当たるようになり、風通しも良くなるため、病気の予防にもなります。さらに、実が地面に触れないので、傷つきにくく、収穫もしやすくなります。誘引は野菜の健康な成長と豊かな収穫に欠かせない作業です。
追肥

スイカの追肥は、果実を大きく育て、甘みを増すために重要です。最初の追肥は植え付けから約3週間後、つるがしっかり成長し始めた頃に行います。この時、1平方メートルあたり窒素5g、リン酸5g、カリウム5gを施します。追肥は根元から10〜15cm離れた場所に施し、根に直接触れないようにしましょう。次の追肥は開花から10〜14日後、果実が直径4〜5cm(ピンポン玉程度)になった頃です。この際、1平方メートルあたり窒素5g、リン酸5g、カリウム10gと、カリウムを多めに加えます。果実が直径10〜15cmに成長したら、同じ量で再度追肥を行います。施肥後は水を与え、肥料が土に十分浸透するようにしますが、過度な水やりは果実の甘みを損なうため、適量を心がけましょう。
収穫の2週間前には追肥を控えることで、糖度が高まり甘いスイカに仕上がります。

※「追肥」とは、作物が生育している途中で追加で肥料を施すことです。最初に土壌に与えた元肥(基肥)だけでは、作物が必要とする栄養が不足する場合があるため、成長の段階に応じて適切な栄養を補給するために追肥を行います。追肥は、作物の健康な成長や収穫量の増加を目的としています。追肥は、作物の種類や成長段階によって適切なタイミングで行われ、通常、窒素、リン、カリウムなどの主要な栄養素が含まれた肥料が使われます。適切な追肥は、作物の根や葉、果実の発育を促進し、品質や収量を高める重要な農業技術のひとつです。

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